静謐の聖語板に見出してきたこと
有明キャンパス正門、武蔵野キャンパス正門・北門に設置されている「聖語板」を覚えていますか?
先人のことばを月替わりに掲示しています。
在学時、何気なく見過ごした言葉、瞬時に腑に落ちた言葉、場面を具体的にイメージできる一文、また、思わずその意味を自身に問い掛けた経験はありませんか。
そして、1カ月間、朝に夕に目にすることで、じっくりと心に沁みこんでくる言葉がありませんでしたか?
今も変わらず、「聖語板」は学生に、教職員に、大学を訪れる人に静かに語りかけています。
3月の聖語
「我々が努力して成し遂げたものは
そのままで終わりを告ぐべきものと思うのは間違いである
この後に成すべきものの第一歩である」
高楠順次郎
今月の聖語は近年、3月の聖語板の定番となっている学祖高楠順次郎博士の言葉です。
3月と聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?卒業、年度末、異動などなど。3月に人生の節目を迎える方も大勢いらっしゃるのでは?
4月からの新しい生活に向け、心機一転!ゼロからの再スタート!と考えていらっしゃる方に、高楠先生のこの言葉をお贈りしたいと思います。
頭の中に1本の竹を思い浮かべてみてください。その竹にはたくさんの節目があります。「努力して成し遂げたもの」はその節目の1つ1つです。1つの節目を終えても、その竹は新しい節目を作り、気が付けば見上げるほどの大きな竹へと成長を続けます。
高楠先生も、東京帝国大学(現・東京大学)で教鞭をとり梵語学講座を創設、さらには武蔵野女子学院を設立されるなど、決して1つの節目に満足して留まることはありませんでした。
人生の節目を感じる3月。今までに作り上げてきた節目を礎に、皆さんも新しい第1歩を踏み出してみてくださいね。
高楠 順次郎(たかくす じゅんじろう)
1866年~1945年(慶応2年~昭和20年)。広島県御調郡八幡村字篝(現・三原市)生まれ。
国際的仏教学者。仏教精神を根幹とした人格育成を理想に掲げ、武蔵野大学の母体である武蔵野女子学院を設立。女子教育の必要性と女性の社会進出を肯定的に考えた先覚者でもある。1944年文化勲章受章。
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