校友トピックス

令和4年9月の聖語

静謐の聖語板に見出してきたこと

有明キャンパス正門、武蔵野キャンパス正門・北門に設置されている「聖語板」を覚えていますか?
先人のことばを月替わりに掲示しています。
在学時、何気なく見過ごした言葉、瞬時に腑に落ちた言葉、場面を具体的にイメージできる一文、また、思わずその意味を自身に問い掛けた経験はありませんか。
そして、1カ月間、朝に夕に目にすることで、じっくりと心に沁みこんでくる言葉がありませんでしたか?
今も変わらず、「聖語板」は学生に、教職員に、大学を訪れる人に静かに語りかけています。

9月の聖語

今日は少なくとも一度 「有難いな」という感じを持ちましょう

高楠順次郎先生推奨 五戒 第一番

突然ですが、みなさんが最後にありがたいという気持ちを感じたのはいつですか? 今回の言葉は、学祖高楠順次郎博士が推奨する「五戒」のひとつです。一見簡単そうにも見えますが、せわしない日常の中で日々感謝の気持ちを持つことは、案外難しいことかもしれません。

さて、高楠博士が推奨する5つの戒めとは、ほかにどんなものがあるのでしょう。武蔵野中高や大学の入学時、みなさんにはお念珠と浄土真宗本願寺のお経や歌などがまとめられた『礼讃抄』が渡されたと思います。高楠博士の五戒はこの礼讃抄に掲載されています。以下に第二番から第五番までをご紹介します。

二、今日は少なくとも一度、「苦しいな」と思うことをやり遂げてみましょう。
三、今日は少なくとも一度、人に譲りましょう。
四、今日は昨日よりも新しい、何かの知識か技能かを自分のものに致しましょう。
五、今日は少なくとも一度、にこやかに語りましょう。

仏教徒が守るべき五戒(せっしょうちゅうとうじゃいんもうおんじゅ)とはずいぶん趣が異なりますが、人として大切なことが誰にでもわかるやさしい言葉で示されています。一つひとつはささやかな取り組みでも、子どもから大人までが毎日実行すれば、世界はよりよいものになるはずです。

世界をよりよくするためには、SDGsをはじめとするさまざまな方法があると思います。高楠博士の五戒は、私たちにできることのひとつと言えるのではないでしょうか。

<参考文献>
武蔵野女子学院『礼讃抄』、武蔵野女子学院、p16。

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