令和5年5月の聖語

静謐の聖語板に見出してきたこと

有明キャンパス正門、武蔵野キャンパス正門・北門に設置されている「聖語板」を覚えていますか？
先人のことばを月替わりに掲示しています。
在学時、何気なく見過ごした言葉、瞬時に腑に落ちた言葉、場面を具体的にイメージできる一文、また、思わずその意味を自身に問い掛けた経験はありませんか。
そして、1カ月間、朝に夕に目にすることで、じっくりと心に沁みこんでくる言葉がありませんでしたか？
今も変わらず、「聖語板」は学生に、教職員に、大学を訪れる人に静かに語りかけています。

5月の聖語

「豊かだから施すのではない　施すから豊かになるのだ」

今月の聖語は、「輝け！お寺の掲示板大賞2020」の「まいてら賞」を受賞した作品の言葉です。

「施し」と聞くと大げさに考えがちですが、お金や物資を与えることだけではなく、ささやかな親切や手助けといった他者に尽くすことなども含まれると思います。親切や手助けはしてもされても気分がよくなるものです。そのような他者とのつながりを大切にし、私たちが持っている豊かさを分かち合うことよって、社会全体が豊かになっていくのではないでしょうか。

さて、みなさんはお寺の掲示板大賞をご存じでしょうか。仏教に関心のない人にもお寺の標語の魅力を伝えようと、仏教伝道協会が創設した賞です。お寺の掲示板の写真をSNSに投稿し、その標語の有難さやユニークさなどが競われます。受賞作品を見てみると、心に刺さるもの、ほっこりするもの、流行語やことわざをもじった思わずクスリと笑ってしまうものもあり、いつの間にかお寺の掲示板が身近に感じられるから不思議です。

もしも自宅や職場の近くにお寺があったら、掲示板に目を向けてみてください。また、大学を訪れる機会があったら、聖語板を眺めてみてください。今までは見過ごしていたそれらの言葉に、思わぬ気づきがあるかもしれません。