校友トピックス

令和6年4月の聖語

静謐の聖語板に見出してきたこと

有明キャンパス正門、武蔵野キャンパス正門・北門に設置されている「聖語板」を覚えていますか?
先人のことばを月替わりに掲示しています。
在学時、何気なく見過ごした言葉、瞬時に腑に落ちた言葉、場面を具体的にイメージできる一文、また、思わずその意味を自身に問い掛けた経験はありませんか。
そして、1カ月間、朝に夕に目にすることで、じっくりと心に沁みこんでくる言葉がありませんでしたか?
今も変わらず、「聖語板」は学生に、教職員に、大学を訪れる人に静かに語りかけています。

4月の聖語

「ここに学ぶとはじめて立ちし校庭の 花の四月の 初心忘るべからず」

土岐善麿

この歌は、武蔵野女子大学文学部日本文学科の主任教授を務められた土岐善麿先生のものです。

土岐善麿先生は1980年94歳でその生涯を終えるまで、常に学び歩み続けておられました。1965年4月、新しく開設された武蔵野女子大学の日本文学科主任教授に就任されたのは、土岐善麿先生が御年80歳の時。

その後14年間に渡り「日本文芸史」「仏教と日本文学」「詩歌演習」「作家作品研究」「図書館通論」など、多岐に渡った分野で教壇に立たれました。

今月の聖語は土岐善麿先生が在任中に発刊された『むさし野十方抄』(土岐善麿著・大河内昭爾編)に収録されています。

4月の校舎に咲き乱れる花々を目にしながら、80歳を過ぎても尚、学びに対して「初心忘るべからず」と歌を詠まれた土岐善麿先生。先生に習い、いくつになっても自らの足元を見据て自身の道を歩んでいきたいものです。

土岐 善麿(とき ぜんまろ)
1885年~1980年(明治18年~昭和55年)。東京府東京市浅草区浅草松清町(現・東京都台東区西浅草一丁目)生まれ。
歌人・国文学者。新聞記者として活躍する傍ら、1910年にローマ字による3行書きの歌集『NAKIWARAI』を刊行。1913年『生活と芸術』を主宰。国語審議会会長、日比谷図書館館長などを歴任。1947年『田安宗武』で学士院賞を受賞。1955年紫綬褒章を受章。1965年に開設された武蔵野女子大学文学部日本文学科の初代主任教授に就任。1979年まで14年にわたって教鞭を執る。40冊近くの歌集を出版。石川啄木や若山牧水など、多くの文学者と親交を持つ。

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