校友トピックス

令和6年6月の聖語

静謐の聖語板に見出してきたこと

有明キャンパス正門、武蔵野キャンパス正門・北門に設置されている「聖語板」を覚えていますか?
先人のことばを月替わりに掲示しています。
在学時、何気なく見過ごした言葉、瞬時に腑に落ちた言葉、場面を具体的にイメージできる一文、また、思わずその意味を自身に問い掛けた経験はありませんか。
そして、1カ月間、朝に夕に目にすることで、じっくりと心に沁みこんでくる言葉がありませんでしたか?
今も変わらず、「聖語板」は学生に、教職員に、大学を訪れる人に静かに語りかけています。

6月の聖語

さきに生れんものは後を導き
後に生れんひとはさきとぶらへ」

親鸞聖人(道綽禅師どうしゃくぜんじ引文)

6月の聖語は、親鸞聖人の主著『きょうぎょうしんしょう』の最後に書かれた道綽禅師の引文です。
武蔵野大学の卒業生であれば、耳にしたこともあるかもしれません。

自らの悟りを開くことができずに比叡山を降りた親鸞聖人。29才の時法然上人と出遇われその教えを乞い、法然上人の書を写したり、師の肖像を見写されていたそう。

前に生れた法然上人の教えをしっかりと聞いて、自己に反映させていらっしゃったのですね。

『教行信証』の中では、「聞く」ことがとても重要だとされており、「もんそくしん」の重要性が繰り返し説かれているそうです。

この教え、実は我々もよく口にすることがあるように感じます。

努力しているにも関わらず結果が伴わずに悩んでいる人に対して
「努力の方向が間違っているかもしれないよ。一人で悩まずにまずは先生に一番よい方法を聞いてみたら?」と伝えることありませんか?

スポーツの場面でも「上達の秘訣は素直な心。素直な心でコーチが教えてくれた事をよく聞いて、まずは実践してみること」と本当によく耳にします。

親鸞聖人が『教行信証』を著されたのが1224年頃。今からおよそ800年前の教えが連綿と受け継がれ、今にも通じていることに驚いてしまいますね。

皆さんも上手くいかず思い悩むことがあれば、今月の聖語を思い出してみてください。
先人に話を聞きに行き、素直な気持ちで受け入れればきっと解決の糸口が見つかりますよ。

<参考文献>
『礼讃抄』三十一、親鸞聖人の生涯 P126

親鸞聖人(しんらんしょうにん)
1173~1263。京都の生まれ。
浄土真宗の宗祖。戦乱の時代安定や死後の安らぎを求める人々に、念仏をとなえれば阿弥陀仏によって救われると説き広めた。

武蔵野大学は1924年、世界的な仏教学者でもある高楠順次郎博士によって、仏教精神にもとづいた浄土真宗本願寺派の宗門関係学校として設立された。

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