各分野の専門家といっしょに、ふだんの講義よりもさらにアカデミックで、わかりやすくて、面白いコウギをお届け!「イドバタコウギ」は、聞けばちょっと誰かに話したくなる、新感覚 雑談型 講義ラジオです。
「先生の講義、思い出すなぁ」「後輩たち、頑張ってるなぁ」など、母校を懐かしく思い出しつつ、新たな知見も手に入る「イドバタコウギ」。さて今回のテーマは…?
#13は少女マンガ研究者トミヤマユキコ先生による「元こじらせ女子が少女マンガ研究者になるまで」
皆さんは『ハッピーマニア』というマンガ、ご存じですか?
雑誌『FEEL YOUNG』で1995年から2001年まで連載された安野モヨコ先生の作品です。主人公の重田加代子は仕事よりも恋に生きるオンナ。理想の恋人を求めて突っ走る毎日。転んでもただでは起きぬパワフル全開女子なのです。(久々に読み返しましたが、重田さんって本当にずっと走っていますね…)
論文を書いても鳴かず飛ばずでパチンコにはまったという大学院時代、この『ハッピーマニア』に出会い、「そうだ!少女マンガを研究の対象にしよう!」と博士論文を書き上げたのが今回のゲスト、武蔵野大学非常勤講師でありライター・少女マンガ研究者でもあるトミヤマユキコ先生です。
今回のイドバタコウギでは「キャリアが散らかっててすみません」というトミヤマ先生のご経歴と共に、業界における少女マンガの立ち位置や少女マンガとルッキズム問題に関してなどなど、「少女マンガ」をアカデミックな視点からお話し頂きました!
少女(女子)マンガは「周縁」で多様な花を咲かせる
トミヤマ先生曰く「マンガ界には『中心』と『周縁』がある」とのこと。中心は言わずと知れた「少年マンガ」。その周縁に位置するのが少女マンガです。どれだけ売れている少女マンガも、商業的に少年マンガには勝てないそう。
ですが、「『周縁』に位置する少女マンガだからこそ『置かれた場所で好きに咲きなさい』とばかりに色んな女子を描くことができる」とおっしゃるトミヤマ先生。
確かに書店の平積みコーナーをパトロールすると、おばあちゃんとオタク女子高生の友情物語あり、マダム3人のルームシェアを描いたものあり、薬膳に目覚めたパート女子の日常系ありと、その主人公は年代・職業ともに多岐に渡っているようで、もはや「少女マンガ」の枠とは別に「女子マンガ」というジャンルも確立されているようです。
中心(少年マンガ)があるからこそ周縁(少女・女子マンガ)は好きな花を咲かせることができる…マンガ界にそんな力学が働いているとは全く気づきませんでした!
最近では少年マンガ特有のガツガツしたハイカロリーっぷりに疲弊した男性読者が、穏やかな少女(女子)マンガに流れてくる傾向もあるとか。マンガの世界も多様性が求められる時代になったということなのでしょうか。
この他にも「美男美女が登場する王道少女マンガはルッキズムを助長しているのでは?」と問題提起するパーソナリティに対してトミヤマ先生は一体なんと回答するのか、こちらも非常に気になるところですが、詳しくは番組をぜひご覧ください♪
今回の「コウギ」も、ちょっと誰かに話したくなっちゃうアカデミックな話が盛りだくさん!これであなたも雑談上手。通勤中やお昼休みに、母校を思い出しつつぜひご覧ください♪
ちなみに武蔵野大学でトミヤマユキコ先生がご担当されている講義は「小説の歴史」だそうです!
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