実習での経験が卒業後も心の支えに
ウィズコロナ時代となり、今まで以上に医療従事者の存在が身近に感じられるようになりました。本学でも看護学部、薬学部、人間科学部等の卒業生が、医療に関連するさまざまな職場で働いていることと思います。
猪瀬 光穂(いのせ みほ)さんは、患者さんやそのご家族が抱える悩みや問題を、社会福祉の立場から解決、調整援助を行う医療ソーシャルワーカー(MSW)として奮闘しています。高校時代にご自身の通院経験をきっかけにMSWをめざし、社会福祉士の受験資格が得られる人間関係学部社会福祉学科(現・人間科学部社会福祉学科)に進みました。
実習では救急病院に配属され、MSWの面談に同席する機会を得ました。厳しい病状にもかかわらず、患者さんは社会福祉士の試験勉強をがんばるよう猪瀬さんを励ましてくれたそうです。その言葉の重みや大切さを感じた猪瀬さんはこう語ります。
「MSWの介入が、その人の命、運命を変えてしまうかもしれない。そういう覚悟と志をもたなければできない仕事なのだと肝に銘じました。MSWになって9年余りたった現在も、つらい時にはこの日の実習記録を見て、当時の気持ちを思い返しています
」
今ではMSWとして活躍する猪瀬さんも、かつては期待と不安の入り混じった気持ちで、社会福祉学科の実習指導室を訪れたのかもしれません。
本学の社会福祉学科は現在、学科の特長のひとつとして「実践力を養う充実した実習」を挙げています。
誰もが猪瀬さんのように、実習を通じてつらい時に心を奮い立たせるような経験をし、さらに理想の未来像を実現できるとは限りませんが、本学での学びがひとりでも多くの学生の未来につながることを心から願います。
なお、猪瀬さんの記事は『月刊福祉』の2021年9月号に掲載されています。医療関連の職場等でこの雑誌を見かけた際には、ぜひ手に取って読んでみてください。
<参考文献>
全国社会福祉協議会出版部(2021年)『月刊福祉(2021年9月号)』、全国社会福祉協議会、PP.94-96。
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