「SDGs」で輝く人たち
「2021ユーキャン新語・流行語大賞」のノミネート30語に選ばれた「SDGs」、今やこの言葉がニュースやメディアで耳にしない日はないほどになりました。みなさんの勤務先や子どもたちが通う学校など、身近なところでもSDGsの取り組みが広がりを見せていると思います。
2021年度前期の気になるヒト・コトでも触れているように、本学では2019年3月に武蔵野大学SDGs実行宣言を発表しました。以来、全学的にSDGsを推進しています。そこで2021年度後期の学内ニュースを振り返る「2021年度後期の気になるヒト・コト」のPART2では、「SDGs」をテーマにお届けします。
SDGsでは17の目標が掲げられています。どの目標も重要ですが、島国である日本にとって目標14「海の豊かさを守ろう」はより身近なものと言えるでしょう。海洋プラスチックごみや水産資源の減少といった問題は、たびたびメディア等で取り沙汰されています。
工学部環境システム学科の真名垣 聡(まながき さとし)准教授の下、学科生23名(2年生9名、3年生14名)が海洋プラスチックの再利用および回収装置Seabin(以下シービン)を活用したSDGs学習プログラムを考案しました。
このプロジェクトで注目すべきはシービン設置にあたり、学生たちが市民の環境への問題意識を高めるための施策を打ち出したことにあると思います。クラウドファンディングでの設置資金調達や、地域の小・中・高等学校へ提供を想定したシービンを活用したSDGs学習プログラムの考案は、ひとりでも多くの人がSDGsを自分ごと化するきっかけになるでしょう。取り組みの輪の広がりはSDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」につながるはずです。
SDGsの取り組みは、さまざまな形で行われています。2021年11月27日(土)にオンライン開催された「第2回松下幸之助杯スピーチコンテスト決選大会」もそのひとつです。公益財団法人松下幸之助記念志財団主催の本コンテストは、松下幸之助の志を次世代につなげ、リーダーとして、SDGsに定められた17の開発目標に取り組み、2030年の世界に向けたビジョンを描き、それを実践する青少年を応援することを目的に2020年度から開催されています。
このコンテストで本学の言語文化研究科ビジネス日本語コース修士課程2年生のYI LINA(イ リナ)さんが、優秀賞を受賞しました。スピーチタイトルは「世界中どの国に暮らしていても自分の母語を学習できる場所を作りたい」。SDGsの目標10「人や国の不平等をなくそう」と目標16「平和と公正をすべての人に」に関連しています。
YI LINAさんは内モンゴル出身。日本にはYI LINAさんと同じモンゴル族の人々、約1万5千人が暮らしていると言われています。ある時、YI LINAさんは日本で生活しているモンゴル族の子どもたちには、母語を学習できる機会が少ないということ知りました。そこでモンゴル語を教えるボランティア活動を行い、将来的にはオンラインの語学教室の開設や、教材開発等に挑戦したいというのがスピーチの概要です。
YI LINAさんが将来的にやりたいことは、日本に暮らすモンゴル族の子どもたちだけでなく、さまざまな母語をもつ人々に希望を与えることではないでしょうか。審査員の方々も「様々な母語をもつ人々のモデルケース」になると期待を寄せていました。
本学ではほかにも、キャンパス内のマイボトルの利用促進に向けて水道直結型のウォーターサーバー設置や、工学部建築デザイン学科生21名の創作活動による茅ヶ崎のコミュニティスペースづくりなど、それぞれの領域に根ざした活動が行われています。2022年度はどんな取り組みが生まれるのか、ご期待ください。
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