心浮き立つ春の訪れ
時に季節を先取りしたような強い日差しが続き、武蔵野キャンパスは急速に春らしくなりました。今年も噴水の周りに点在する紅梅や、正門前のバス停から松芝園グラウンド方面へ向かう道沿いに立ち並ぶ梅の風に舞う花びらが、風情を感じさせてくれました。
そんな梅の花に代わって、2号館と実習棟の間に佇む桜の木が、最初に見頃を迎えました。ちょうど満開が卒業式と重なり、桜の木の下は絶好の撮影スポットに。色とりどりの袴姿の卒業生が、学位記を片手に大学時代の最後の思い出をカメラにおさめていました。
さて、1年を72の季節に分けた暦、七十二候では3月26日~3月30日頃を「桜始開 (さくらはじめてひらく)」と呼んでいます。春先の天気予報では桜の開花予想で桜前線の動きが報じられますが、キャンパス内でも桜前線があります。2番目に咲き始めたのは図書館脇から第1体育館へと続く小道沿いの桜です。それを追いかけるように、雪頂講堂前の大きな桜の木も蕾がほころび始め、3月最後の週末の暖かさでほぼ満開になりました。
一方、松芝園グラウンド沿いの桜並木は8分咲き、8号館とテニスコートの間の小さな桜並木は5分咲き程度です。2月1日から毎日の最高気温を足していき、累計が600度になったときに桜が開花するという「桜の開花600度の法則」からすると、桜の種類は様々あれど、同じキャンパスでもずいぶん温度差があるものだと桜の開花で実感します。
他にも椿や白蓮、桃の花など、ポピュラーな春の花に交じってこの時期見頃を迎えるのが、山茱萸(サンシュユ)や土佐水木(トサミズキ)など花木です。どちらも聞きなれない名前かもしれませんが、庭木として人気があるので、近所の庭先で見かける機会もあると思います。
山茱萸は「春黄金花(はるこがねばな)」とも呼ばれ、小さな花が集まった黄金色のブローチのような佇まいが春の青空に映えます。土佐水木の花は薄緑色で、ランプシェードのような形が特徴です。
花木がそれぞれ新しい季節の準備をしているように、学内でも令和4年度入学式に向けて、着々と準備が進められています。新学期が待ち遠しい、心浮き立つ春の武蔵野キャンパスです。
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