静謐の聖語板に見出してきたこと
有明キャンパス正門、武蔵野キャンパス正門・北門に設置されている「聖語板」を覚えていますか?
先人のことばを月替わりに掲示しています。
在学時、何気なく見過ごした言葉、瞬時に腑に落ちた言葉、場面を具体的にイメージできる一文、また、思わずその意味を自身に問い掛けた経験はありませんか。
そして、1カ月間、朝に夕に目にすることで、じっくりと心に沁みこんでくる言葉がありませんでしたか?
今も変わらず、「聖語板」は学生に、教職員に、大学を訪れる人に静かに語りかけています。
3月の聖語
「我々が努力して成し遂げたものは
そのままで終わりを告ぐべきものと思うのは間違いである
この後に成すべきものの第一歩である」
高楠順次郎
今月の聖語は近年、3月の聖語板の定番となっている学祖高楠順次郎博士の言葉です。
1924年、高楠博士は戦後の混乱で生きていくだけでも大変な時期に、本学の母体である武蔵野女子学院を設立しました。学院設立は高楠博士にとって「この後に成すべきものの第一歩」だったのでしょうか。
本法人は2024年に創立100周年迎えます。現在、日本社会では女性活躍やダイバーシティなどが課題とされていますが、ほぼ100年前に高楠博士は女子教育の必要性と女性の社会進出を重視し、生涯を女子教育に捧げました。
武蔵野キャンパスの雪頂講堂には高楠博士を紹介する展示スペースがあり、1階ロビーには高楠博士が遺された著書著作やゆかりの品々が展示されています。2階にはパネル写真が並べられており、生家や家族の写真、ベルリン大学やオックスフォード大学時代の才気あふれる学友との集合写真、東京真宗学会発会式記念、文化勲章受章記念など、世界的な仏教学者で文化勲章受章者でもある高楠博士の足跡をたどることができます。
イベントや同窓会等で武蔵野キャンパスを訪れた際には今回の言葉と共に、これらの展示で高楠博士をより身近に感じてみてはいかがでしょう。
高楠 順次郎(たかくす じゅんじろう)
1866年~1945年(慶応2年~昭和20年)。広島県御調郡八幡村字篝(現・三原市)生まれ。
国際的仏教学者。仏教精神を根幹とした人格育成を理想に掲げ、武蔵野大学の母体である武蔵野女子学院を設立。女子教育の必要性と女性の社会進出を肯定的に考えた先覚者でもある。1944年文化勲章受章。
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