校友トピックス

創立初年度の同慶節を振り返る|あの時、あの頃 武蔵野ヒストリア

100年の節目の年を前に

『武蔵野女子学院五十年史』の資料より 『武蔵野女子学院五十年史』の資料より

卒業生のみなさんは5月21日の「同慶節」についてご存じでしょうか。その日は本学院の創立記念日であり、浄土真宗の宗祖親鸞聖人がお生まれになられた日でもあることから、本学院ではこの2つの慶事を「同慶節」としてお祝いしています。武蔵野中高出身者の中には、在校中に参加した式典のことを記憶されている方もいるかもしれません。

関東大震災の6ヶ月後の1924年3月7日、本学の前身となる武蔵野女子学院は西本願寺の東京築地別院の境内地に開設されました。校舎は震災後に別院境内に建てられていた日本赤十字社の臨時病院を譲り受けたものでした。現在の武蔵野キャンパスに移転したのは1929年になります。

さて、昔の同慶節はどのようなものだったのでしょうか。『武蔵野女子学院五十年史』には、創立初年度に行われた同慶節の様子が次のように記されています。

創立初年度は、四月二十一日(大正十三年)に入学式を挙行、その年の創立記念式を五月二十一日とし、この日を同慶節と名づけて盛大な式典をあげた。親鸞聖人の降誕会の日をとくに選んだのである。以後、武蔵野女子学院は、この日を以って創立記念日とし現在に及んでいる。
当日の祝典には、来賓およそ百五十名を迎えたが、その中には、とくに日赤臨時病院時代、すなわち関東大震災間もなくの頃、その病院で出産した四十数組の人々も招かれて参列、当時の思い出を語り合うとともに、旧施設の新しい門出を祝い、感銘深い一時をすごした。また、親鸞聖人の降誕会でもあったところから、築地本願寺へ参詣する人々も多数立ち寄って、祝典に一層の賑わいを添えた。

お祝いムードに包まれた式典の様子が目に浮かぶようです。学祖高楠順次郎博士をはじめとする学院創立に尽力した方々は、さぞかし感無量だったことでしょう。当時、仏教主義による女子教育を目指した高楠博士の時代を先取りした先見性は、今だからこそ注目すべき事柄だと思います。その後、幾多の苦難を乗り越えながら変革を積み重ねてきた本法人は、2024年に創立100周年を迎えます。

前述のとおり、本来の同慶節は5月21日ですが、2023年度は日曜日であるため前日の5月20日(土)に雪頂講堂にて実施します。法要に続き、本学通信教育部人間科学部の鈴木健太教授による講演会、創立100周年記念事業について説明を予定しています。式典に参加したり、ライブ配信で視聴したりする学院関係者は、100年の節目の年を前にして、ひと際感慨深く感じることでしょう。

<参考文献>
武蔵野女子学院(1974)『武蔵野女子学院五十年史』、武蔵野女子学院、pp73-74。

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