校友トピックス

令和5年8月の聖語

静謐の聖語板に見出してきたこと

有明キャンパス正門、武蔵野キャンパス正門・北門に設置されている「聖語板」を覚えていますか?
先人のことばを月替わりに掲示しています。
在学時、何気なく見過ごした言葉、瞬時に腑に落ちた言葉、場面を具体的にイメージできる一文、また、思わずその意味を自身に問い掛けた経験はありませんか。
そして、1カ月間、朝に夕に目にすることで、じっくりと心に沁みこんでくる言葉がありませんでしたか?
今も変わらず、「聖語板」は学生に、教職員に、大学を訪れる人に静かに語りかけています。

8月の聖語

「My life is my message」

Mahatma Gandhi

今回の聖語は“インド独立の父”とされるマハトマ・ガンジーの言葉です。私の人生すべてが私からのメッセージだというガンジー、その偉業を学校の授業等で学んだ人も多いと思います。

今でこそ世界で知られる偉人ですが、幼少期のガンジーは引っ込み思案で素行がよくなかったとか。そんな彼が社会活動の道を歩み始めるきっかけとなったのが、イギリス留学後に商社の弁護士として赴いた南アフリカでの人種差別でした。ガンジーは約20年もの間、かの地でインド系移民に対する差別撤廃運動を行いました。

1915年、インドに帰国したガンジーは、イギリスによる植民地支配からインド独立を目指して反英運動を展開。イギリス製品を排斥して国産品を愛用する「スワデーシー」、イギリスによる塩税法への抗議運動として行った「塩の行進」など、暴力に頼らない運動を推し進めていきました。

ガンジーの教えのひとつに「非暴力・不服従」があります。彼は圧制に対抗する手段として、暴力を用いず相手の良心に語りかけ、不当な命令への不服従の姿勢を貫きました。その姿は民衆の心を動かし、やがてはインド独立を成功に導きました。このことは対立や紛争を解決するためには暴力ではなく、対話や相互理解が大切であることを教えてくれます。

世界の対立や紛争が拡大する今、非暴力・不服従による抵抗運動を提唱し、世界的な平和運動の先駆者となったガンジーの人生から、数々の教えを学ぶことができると思います。アフリカ系アメリカ人公民権運動の指導者として知られるキング牧師や、アパルトヘイト撤廃でノーベル平和賞を受賞したマンデラ元南アフリカ共和国大統領など、ガンジーの影響を受けたのちの指導者が多数存在するのはご存じの通りです。

ガンジーに関連する書籍や映画も多々あるので、この機会に手に取ってみてはいかがでしょうか。

マハトマ・ガンジー
1869年~1948年。インド・グジャラート州ポルパンダル生まれ。インドの独立運動指導者・思想家・弁護士。
イギリス留学後、弁護士となって赴いた南アフリカでインド人に対する人種差別政策に抗議し、非暴力・不服従運動を展開する。インドに帰国してからは労働運動や民族解放独立運動の指導者として活動。1947年、イギリスからインド独立を勝ち取るが、1948年ヒンドゥー教の過激派に暗殺される。「マハトマ(大いなる魂)」という名は、互いに尊敬し合っていたインドを代表する詩人タゴールから贈られたとされる。

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