「今日お話したことは全部使える」
2023年7月22日(土)、第89回 学校法人武蔵野大学後援会 教養講座「自分も相手もハッピーになれる「話し方・伝え方」」が武蔵野キャンパス雪頂講堂で行われました。講師は元日本マイクロソフト業務執行役員で現在は株式会社圓窓代表取締役、本学アントレプレナーシップ学部専任教員ほか多くの肩書をもつ澤 円(さわ まどか)氏です。年間プレゼン回数300回、インターネット音声メディア「Voicy」で2,000回の放送をしている澤氏に、方法論ではなく考え方を中心にお話いただきました。
人と会話をしている時に「なんでわからないの?」とイラついた経験はありませんか? そのメカニズム「解釈の違い」や「怒りと誤解で分断は深まる」ことについて、澤氏は会場の聴講者を交えた参加型のワークで、いともたやすく証明してくれます。プライベートやビジネスにおけるコミュニケーションで、このメカニズムを知っているのと知らないのでは大違い。腹が立った時にこのことを思い出して、私は何かしら勝手な解釈をしているかもしれないと思うと冷静になれると澤氏は言います。
「自分の解釈どうなってるんだ? 事実っていう風に思っているかもしれないけども抜け漏れがあるんじゃないか? その抜けてるピースっていうのを自分で勝手に埋めてないか? と思う。これがすごく大事だって話なんですね。それを埋めるためには、特に人が絡んでいることで、何か見えてないことがあるんじゃないかなと思ったら「対話」するしかない」
また、「アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)」は誰でも持っているもので、よいも悪いもなく、人間の構造上そうなっているものだとか。それをいかにして受け入れるかどうかが、人間としてよりよく生きていくために必要だと言います。偏見を持つのはよくないと子どもの頃から教えられてきた多くの人にとって、目からウロコの考え方ではないでしょうか。
澤氏は“常識とは、18歳までの間に蓄積された偏見の塊である”というアインシュタインの言葉を引用し、こう続けます。
「偏見の多数決によって常識っていうものが正義っぽく見られてるんですけれども、所詮偏見です。なので、偏見なんだっていうことを理解した上で、私はこう考えるっていう風に考えてコミュニケーションしていくのが大事なんですね」
講座では人とコミュニケーションを取る上で大切な考え方を多数紹介。たとえば「べき」「難しい」とは言わずに、「べき」=「私はこう思う」、「難しい」=「どうすればできる?」と言い換えるだけで、会話が途切れず前に進んでいくと言います。
他にも「人間は「サボりたがる」生き物」「人間は人前で話すようにできてない」「人間は「否定形」を処理できない」など、人間の本質に対してどう考えるかを具体例にわかりやすく解説してくれます。さらに「人生をちょっと楽にする考え方」のマトリックス表は、すぐに実践したくなるアイデアが凝縮されており、講座終了後の質疑応答でも学びがあります。
澤氏自身が「今日お話したことは全部使える」と太鼓判を押すこの講座は、楽しく有意義でつい時間を忘れて没頭してしまうかも。気になる方は期間限定で配信している動画をチェックしてください。
配信期間:2023年8月28日(月)~2024年3月31日(日)
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