いのちと平和について考える
2023年12月1日(金)、令和5年度「散華乙女の追悼会」が武蔵野キャンパスの散華乙女の記念樹碑前にて執り行われました。例年は12月3日に行われていますが、今年は日曜日にあたるため、1日の実施となりました。雲の隙間から薄日が差す冬空の下、ご遺族や同窓生、学院関係者が参列し、太平洋戦争末期、爆弾投下の犠牲になった武蔵野女子学院高等女学校5年生4名を追悼し平和を祈念しました。同窓会からはくれない会、むらさき会本部の方々が参列しました。
ここで改めて、「散華乙女の追悼会」について『礼讃抄』より引用したいと思います。
「散華乙女の追悼会」(12月3日)
昭和十九年、太平洋戦争の戦況が激しさを増すなか、十二月三日に近くの中島飛行機工場を中心に空襲があり、学徒勤労動員先の同工場から避難のため母校へ戻った本学院高等女学校生徒のうち、当時五年生の四名が校内の防空壕への被弾により落命しました。犠牲となった四名を追悼するとともに、戦争の悲惨さを後世に伝え、いのちと平和について考える集いとしています。
西本照真学長の感話では、しばしば国際情勢の話題が取り上げられます。前回はロシアのウクライナ侵攻、今回はイスラエルとハマスの衝突。どちらも未だに戦争終結への道筋は見えず、散華乙女の4人と同じ民間人の犠牲者は増える一方です。身の回りを見渡してみても、本学のブランドステートメントである「世界の幸せをカタチにする。」ことの難しさと大切さを思い知らされます。
追悼会終了後、会場を後にした長野了法理事長が雪頂講堂で開催している「散華乙女追悼写真展」を訪れ、ひとり静かに写真や資料を見学している姿がありました。他の参列者の方々もそれぞれ戦争の悲惨さを心に刻み、平和な世界の訪れを願ったと思います。
「散華乙女の追悼会」は学内という身近なところから、いのちと平和について考える機会となります。武蔵野キャンパスの周囲にも戦争遺跡が点在しているので、この機会に武蔵野の戦争遺跡を訪ねる平和散策をしてみてはいかがでしょう。
武蔵野女子学院同窓会くれない会では『あの日をわすれないために 武蔵野女子学院生の戦争証言集』を発売しています。購入を希望される方は、以下までお問い合わせください。
武蔵野大学中学校・高等学校 同窓会 くれない会
TEL・FAX:042-468-3161
e-mail:kurenai@musashino-u.ac.jp
開室:月・木(13:00~16:00)
※2023年12月15日(金)~2024年1月10日(水)は冬期休暇のため閉室です。
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<参考文献>
学校法人武蔵野大学(2020年)『礼讃抄』、学校法人武蔵野大学、p133。
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