同窓会組織・支部・会員のみなさんにお話を伺いました。
加藤 歌子さん|くれない会・むらさき会会員
1966年3月、武蔵野女子学院高等学校卒業(1965年度卒/高校17回生)。1970年3月、武蔵野女子大学文学部日本文学科卒業(1969年度卒)。1970年4月、ブリヂストンタイヤ東京販売(株)入社、1973年3月、同社退社。1973年5月、武蔵野女子大学日文・国文研究室に就職。2008年3月に定年を迎えるが、引き続き常勤嘱託、非常勤嘱託を経て2013年3月退職。2014年4月から2017年3月まで、むらさき会常任委員を1期務める。
どのようなお仕事をされていますか?
大学卒業後、社会人としてのスタートは一般企業のOL生活でした。3年間過ごし、そこで仕事の基本を学びました。
その後、学校からお話をいただき本学の日文・国文研究室に就職し、1年前に発足した能楽資料センターの仕事も数年間兼務しました。能楽堂に舞台の録音を採りに行くことや、大丸百貨店との協賛で開催された能の展覧会や、芝の増上寺での薪能のお手伝いを能楽研究部の学生と共にしました。
1973年から退職する2013年まで、同学科で学科事務の仕事を中心に40年間働いていました。そのため、心に残る出来事は語り尽くせないほどあります。その中でも特に印象に残っていることは、学科主催の研修旅行の引率です。当初は京都・奈良を中心とした文学散歩でした。
奈良では国指定重要無形民俗文化財の「春日若宮おん祭」の見学です。数日間に渡る神事ですので見学は一部だけでしたが、影向の松の前で演じられる諸芸能、夜かがり火の明かりの中で奉納される舞楽、灯火は消され道を清める松明の明かりだけで執り行われる神事等々はまさに神秘で、その感動は今でも胸に焼き付いています。
京都では最近ご逝去された作家の瀬戸内寂聴さんに、寂庵で法話を拝聴したこともありました。最終日は西本願寺参拝で解散ですが、国宝の飛雲閣でお抹茶のご接待を受けたことも心に深く残っています。
その他、学科主催の講演会等の行事や学部事務、学校行事の仕事も数限りなくありました。また、先生方の研究のお手伝いをすることもあり共編として出版することもできました。
学校生活では、どんな思い出がありますか。
大学では宗教研究部に入部し、学業は二の次にしてクラブ活動に情熱を注いでいました。2年間部長を務め、顧問の千輪慧先生に「歎異抄」の講義を部室で、また学長の山田龍城先生には、学長公宅(現在の紅雲台の地)で「正信偈」を講義していただいたこともあります。部室で昼休みに座禅を組み、毎週月曜日に行われていたお朝拝のお手伝いもしました。
また、「日本宗教学会」の学術大会が本学で開催された時には、全部員で協力をし、好評だったとの報告を受け、とても嬉しかったことを記憶しています。当時は女子大学でしたので男子学生との交流は専らクラブ活動でした。「大学仏教青年会議」の加盟校10校との交流が盛んでした。特に思い出深いのが夏期結集(合宿)です。
班別に分かれて終日研究会・読書会等真剣に討論をし、いろいろな考え方のある事を学び、最終日の懇親会では、緊張感から解放され、班ごとに趣向を凝らした寸劇で一気に和やかな雰囲気に包まれました。思い出深い合宿でした。クラブ活動が私にとって視野を広める大きな財産となりました。
学校生活での思い出の場所を教えてください。
思いつくままにあげて見ました。
- 高校に入学した頃、正門に入ると真っ先に「禁猟区」の立札が目に飛び込んできたこと。(当時は木々で鬱蒼としていました。)
- 高校1年生の時、教室に犬が入ってきて居眠りをしていたこと。(誰も咎めることもなく可愛がられていました。)
- 第一講堂のある1階の図書室の脇で靴磨きをしていたおじさん。
- 梅雨の時期になると正門からの通学路に紫陽花の花が見事に咲いていたこと。
- 山小屋風の旧グリーンホール。(先に述べた大学仏青の懇親会やダンスパーティーを開催しました。)
- 学内の食堂のもやしそば
- 正門前の食堂「立山亭」の焼きそば
ライフワークを教えてください。
趣味として書道を学生時代から、古文書を30年程NHK学園の通信講座や練馬古文書研究会等で学んでいます。古文書から歴史を学ぶ楽しさだけでなく、難解なくずし字を解読するのに辞書を引きながら悪戦苦闘をし、解読できた時の喜びはひとしおです。まさに古文書解読の醍醐味です。脳の活性化にもなるのではないかと続けています。また、憧れのフラメンコを習い始め5年程になります。他に旅行・観劇・コンサート等に出かけ、日々自由な生活を楽しんでいます。
同窓生に向けたメッセージをお願いします。
私にとって学生時代の友人、クラブ活動、OL生活、また研究室勤務では先生方から貴重なお話を伺えたこと等、出会った人々や体験したこと、どれ一つとりましても次のステップにつながりました。経験したことは何一つ無意味なことはないと実感しています。出会った人々、経験したことを大切にしていただきたいと思います。
※記事中の肩書きは取材当時のものです。また、学部・学科は卒業当時の名称です。
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